素材一覧






●ソーダ石灰ガラス 窓ガラス、ビンなど、普通の種類のガラスです。珪素、カルシウム、ナトリウムの酸化物から成っています。高温や急激な温度変化に弱い性質を持ちます。今日、使用されているガラスの90%がこの種のガラスです。
●硼珪酸ガラス ソーダ石灰ガラスや鉛ガラスに比べて高い温度に耐え、化学薬品に対する耐腐食性に優れています。パイレックス®、テンパックス®などはこの種のガラスです。
●アルミノ珪酸ガラス 硼珪酸ガラスと同様、耐熱衝撃性ガラスの一種ですが、より高い使用温度に耐え、特に、耐アルカリ性に優れ液面計やのぞき窓に使用されています。
●96%珪酸ガラス 極端な熱衝撃に強く、900℃の高温における連続使用にも耐えます。炉用ののぞき窓にも用います。
●石英 単結晶の素材です。ガラスと比較して使用温度が高く(900〜1,200℃)、耐腐食性、紫外線域透過が高いとされています。




白生地ガラス(ブランクス)
光学器械や光学装置に使用されるレンズやプリズムの素材になるガラスで、透過率が高く屈折率などの光学的特性がきわめて均一です。
光学ガラスは、鉛ガラス、バリウムガラス、硼珪酸ガラス、リン珪酸ガラス、フッ化物ガラス、ランタンガラスなどに分類されます。
屈折率はnd2.02〜1.44、分散率はvd20.36〜90.70です。約250種類の特性の異なった光学ガラスがあり、西ドイツ、アメリカ、英国、日本などで製造されています。
●BK7(クラウン系) 光学ガラスの中でも最も多量に製造されている代表的なガラスです。可視域の透過率が高く、カメラレンズ、メガネ、プリズムなどに使用され、古典的ガラスといわれています。
●B270 BK7と同様にレンズ・プリズムなどに使用され、特に、板ガラスとして製造されています。複写機のガラス、マイクロスコープのスライドガラス、フォトマスク、時計ガラスなどに使用されています。
●石英 単結晶の素材です。ガラスと比較して使用温度が高く(900〜1,200℃)、耐腐食性、紫外線域透過が高いとされています。







ガラスは文化のバロメーターであると言われるように、工業用、電子用、食器用などたくさんの種類があります。また、同じ材料でも牛乳ビンになったり液晶基盤・時計などになったりしますので、工業用ガラス、電子用ガラスなどと分類することは適当ではありませんが、ここではソーダ石灰・鉛ガラスを軟質ガラス、硼珪酸ガラス・その他の種類を硬質ガラスに分け、硬質ガラスを工業用ガラスと呼ぶことにします。
●硼珪酸ガラス 低膨張ガラスで耐熱性、強度に優れ、電子部品の基板、炉、熱器具の窓など幅広い用途があります。硬質ガラスの中で最も大量に使用されているガラスです。
●パイレックス®
●テンパックス®
片面加熱の場合、230℃の連続使用に耐えます。両面加熱の場合、500℃連続使用に耐えます。化学的腐食に耐える硬質ガラスです。
常用温度230℃  最高使用温度500℃  熱膨張係数 32−32.5×10−7
●熱線遮蔽板
上記のガラスを基板として表面に金属酸化物をコーティングしたもので、透明性を有し、赤外線を効果的に反射するガラスです。高熱を反射することによって室内の温度をコントロールできます。高熱に接する操縦室やクレーン室、製鉄所の窓に使用されています。
●アルミナ珪酸ガラス 膨張係数ゼロのガラスセラミックで、高温耐性、赤外線透過がきわめて優れています。電磁調理器、電子レンジなどの調理器に使用されています。
●バイコール®7913 最高使用温度1,200℃、耐熱衝撃性980℃、熱膨張係数7.5×10-7/℃で、石英ガラスに匹敵する耐熱性を備え900℃の高温から直接氷水の中に投下しても割れません。人工衛星の窓、スペースシャトルなどに使用されています。
●石英 透明石英は水晶を原料とし、不透明石英は珪石や珪砂を原料として製造されます。原料は天然で、最高純度の二酸化珪素です。化学的耐性、耐熱性、電気絶縁性に優れています。拡散用炉芯管、耐熱窓、ベルジャー、ルツボ、紫外・赤外線ランプ、超高圧水銀灯などに使用されています。
耐熱温度 1,100℃  膨張係数 5.1×10−7
●合成石英 二酸化珪素をさらに特殊な化学プロセスにより、高純度の塩化珪素を合成したものが、合成石英です。紫外線・赤外線の透過率が高く、半導体工業用として、フォトマスク、光ファイバー、光学用レンズ、プリズム、レーザー部品などに使用されます。 耐熱温度 950℃ 膨張係数 5.1×10-7








●ULE® 合成石英と同様にCVD法によって製造され、熱膨張率が実質的にゼロになるよう材料設計されたガラスです。製造ロット間における変動は最大±30×10-9/℃におさえています。(更に低い値をお求めの場合には御相談承ります。)
●クリアセラム®-Z 0〜50℃の温度範囲で平均熱膨張係数0.0±0.02×10-6/℃の0膨張特性を有するガラスセラミックスです。高い機械加工性を有するため、高精度研磨、複雑形状加工を施すことも可能です.微細化が進む半導体露光装置等の超精密分野で広く使用されています。
●ゼロデュア® 膨張率をほとんど無視できるガラスセラミックで、超精密な精度を要求される光学系のミラー材として最適です。0〜50℃の温度範囲における平均熱膨張係数は、0±0.15×10-6/K(3級膨張クラス)です。レーザージャイロ用としても使われています。










電気・電子用のガラスは、光学的特性(屈折・分散)、紫外・可視・赤外線の特性、耐熱・膨張、化学的特性(屈折・分散)、紫外・可視・赤外線の特性、耐熱・膨張、化学的耐性など、目的によって異なり、ガラスの種類も軟質、硬質、セラミックまで多く利用されています。以下は、用途によって代表的なものをあげてみました。
●フォトマスク基板 各種電子部品および製造工程に用いられるガラスの中で、半導体のLSI・超LSIの印刷に用いられるガラスのことをいいます。条件としては、熱的性質、光学的性質、機械的性質、機械的性質、電気的性質などが問題となります。特に、耐熱性、低膨張率、高透過率、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性などを持つガラスが要求されています。代表的なものとして、石英(天然・合成)、ガラスではLE-30、AL、7059、viosil(合成石英)などが有名です。
●ディスプレー用
ガラス
ディスプレー用ガラスは、その目的によって、ソーダガラス、硼珪酸ガラス、石英と多品種のガラスが用いられています。ディスプレー用ガラスに要求される条件は、耐熱性化学的耐久性(耐候製、耐酸性)、電気的性質、強度加工性などがあります。代表的なものにバリウム硼珪酸ガラスがあり、アルカリ分の少ないイーグルXG、D263などがあります。用途は、液晶パネル(時計、電卓、液晶テレビ)などです。








医・理科学用ガラスは、耐熱性、耐水性、耐薬品性が要求され、目的によってチューブ、ベルジャー、フラスコ、ビーカーなど大型プラントから小型の体温計まで広範囲にわたっています。ここでは特定の板ガラスを紹介します。
●マイクロシート
(薄板ガラス)
1)ガラスの厚みが0.1mm〜0.5mmで主として顕微鏡のスライドガラスのカバーに使われています。顕微鏡のスライドカバーガラスは、透過率、酸・アルカリ溶出量、厚みの均一性などが要求されます。代表的なものとしてアルカリ亜鉛硼珪酸ガラスがあり、コーニング社の(0211)やデザーク社のD263があります。
(2)スライドガラスはカバーガラスと同様に顕微鏡のスライド用として使われています。ガラスの厚みは0.9mm〜1.35mmが一般的で、検体、顕微鏡の倍率によって、厚み、ガラスの種類がわかれ、ソーダ石灰ガラスから石英まで用いられます。デザーク社のB270が多く使われています。
●無反射ガラス
(コーティング)
ガラスの透過率をよくすると同時にガラス表面を防止する目的で、特殊なコーティングを施したガラスです。光が目に入っても眩しくないことから、ショーウィンドゥ、写真額、撮影用ガラスパネルに有効で、テレビ局・美術館などに使用されています。
●フラッシュド・
オパールガラス
光の拡散効果に優れた乳白色のガラスです。光源を隠して照明効果をあげることができます。不燃性、電気絶縁性があり、表面の光沢が半永久的に持続されます。厚みは1.7mm〜6mmあり、照明、看板、ネオン、ディスプレー、障子などに使用されています。